太古の昔、フリーのスクリプトといえばPerlとCGIが大半だった時代、あの頃はデータベースなんて使ったこともなかったな・・・とWordpressのバックアップを取りながら遠い目をしてしまった本日。あの頃はバックアップといえば何も考えずFTPやコマンドラインでフォルダごとダウンロードすればよかった。いい時代だったな(いちインターネット老人会会員の回顧録)。
というわけで、WordpressやJoomla!やDrupalのような「DBが必要なほどの大規模なシステムはいらない」という時に使える、データベース不要のシンプルかつ軽量で扱いやすいCMSを探すことにした。
データベース不要のCMSを世間ではフラットファイルCMS(flat–file CMS)というらしい。ざっと検索を繰り返したところ、「Dokuwiki」「Flextype(MONSTRAの後継)」「boltCMS」「GRAV」などの結果がヒットしたため、中でも情報の多かったDokuwikiとGRAVをインストールしてみた。しかしどちらも自分にとってはあまりにもクセが強く、作成した記事を閲覧側に表示させるまででもかなりの時間を喰い、追加したプラグインを使うこともできず早々に諦めたのであった。
これは腹を括って無駄に高性能なCMSをつけるべきか…と思った時、ふと目に入ったのがBluditというCMSだった。
Bluditの特徴
- データベース不要、バージョン5.6以上のPHPが使えるサーバならOK (必要要件はこちら)
- インストールはダウンロードしたzipファイルを展開後、サーバにアップロードして初期設定するだけ
- 日本語もだいたい対応(一部未翻訳の部分もあり)
- 多くはないがテーマの配布あり
- 多くはないがプラグインの配布あり
- 解説を見なくてもだいたいは直感的になんとなく使えるわかりやすさ
- 海外のオープンソースシステムではあるものの、ドキュメンテーション(解説など)を翻訳したものをのがたじゅんさんがgithubで公開して下さっています。ありがたい…
インストール
公式サイト(https://www.bludit.com/)のダウンロードボタンをクリックしてzipファイルをダウンロード。
ダウンロードしたファイルを解凍してアップロードしたら、アップロードしたディレクトリにアクセス(例えばhttps://www.xxx.com/abcde/にインストールした場合はhttps://www.xxx.com/abcde/にアクセス)。
①日本語を選択。
②adminユーザーの設定。「admin」は変えられないので、パスワードのみ設定して「インストール」ボタンをクリック。
③もうインストール完了。たった3画面で終了…!
サイトの設定
インストール完了画面の「コンテンツを作成しましょう」のところにある「管理パネル」の文字リンクをクリックすると管理画面ダッシュボードに移動する。
設定>一般の中には複数のタブがあり、それなりにいろんな設定ができる。
記事の作成
ダッシュボードの「新規コンテンツ」をクリック。
マークダウン書式対応だが、ツールバーに基本的なツールのアイコンは並んでおり、Wordpressのような書き方に慣れている人でもさほど不便はなさそうだ。
テーマの変更
Bluditのテーマはここで配布されている。2021年6月現在50個程度が利用できるようだ。テーマはWordpressのように管理パネルからワンクリックでインストール、というわけにはいかず、ダウンロードしたファイルを展開してサーバにアップロードし、その後 管理パネル>設定>テーマ から有効化する必要がある。
デフォルトでは「Alternative」と「Blog X」、「Popeye」というテーマがインストールされている。
今回は新たに「Editorial」というテーマファイルをダウンロードして展開後、サーバのインストールディレクトリ>bl-themesの中にフォルダごとアップロードした。これだけで管理パネルのテーマのリストにEditorialが加わるので、有効化するだけでOK。
また、テーマファイル(home.phpやpage.phpなど。そもそもファイル数自体が非常に少ない)を実際に開いてみると、非常にシンプルで「これなら自分でもカスタマイズできそう」と希望を持てる雰囲気だった。
WordPressに疲れた人、とにかく簡単なCMSが欲しい人には是非おすすめしたい。
(2024/4/7、note.comの記事が編集できなくなったためここに移行しました)